たった15分でも変わる?寝る前デジタルオフの始め方と効果
寝る前の「ちょっとだけ」が、睡眠の質を下げる理由
日中の忙しさから解放され、ホッと一息つく夜。つい手にしてしまうのがスマートフォンなどのデジタルデバイスかもしれません。疲れているのに、SNSやニュースを見始めてしまう、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。こうした寝る前のデジタルデバイスの利用は、短時間であっても、私たちの睡眠に少なからず影響を与える可能性があります。
しかし、「いきなり寝る前に全く見ないようにするのは難しい」と感じる方も少なくないでしょう。そこで今回は、無理なく始められる「たった15分」の寝る前デジタルオフに焦点を当て、その具体的な始め方と、期待できる効果についてご紹介します。
なぜ、たった15分でもデジタルオフに意味があるのか
寝る前のデジタルデバイス利用が睡眠の質を下げる大きな要因の一つに、「ブルーライト」と「脳の興奮」があります。
- ブルーライトの影響: スマートフォンやタブレットの画面から発せられるブルーライトは、太陽光に近い波長を持っています。これを寝る前に浴びると、脳はまだ昼間だと錯覚しやすくなります。その結果、眠りを誘うホルモンである「メラトニン」の分泌が抑制されてしまい、寝つきが悪くなる可能性があります。たった15分でも、このブルーライトの影響を減らすことは、メラトニン分泌を妨げないために有効と考えられます。
- 脳の興奮: 寝る直前までSNSで情報収集をしたり、メールチェックをしたりすることは、脳を覚醒させてしまいます。新しい情報や刺激は、私たちの思考を活発にし、リラックスして眠りに入る準備を妨げます。寝る前のわずかな時間であっても、デジタルデバイスから離れることで、脳をクールダウンさせ、穏やかな状態に移行させることが可能になります。
つまり、たとえ短い時間であっても、寝る前にデジタルデバイスから意識的に距離を置くことは、脳と体を睡眠モードへと切り替えるための第一歩となるのです。
たった15分から始める寝る前デジタルオフの具体的なステップ
では、どのようにすれば寝る前の15分間をデジタルオフの時間にできるのでしょうか。具体的なステップをご紹介します。
- 時間を決める: まずは「寝る時間の15分前になったらデジタルデバイスから離れる」というルールを決めましょう。例えば、0時に寝たいなら23時45分まで、といった具体的な時間を設定します。
- アラームを活用する: 設定した時間になったら知らせてくれるように、スマートフォンのアラーム機能を活用するのがおすすめです。アラームが鳴ったら、「デジタルオフの時間になった」と意識を切り替えます。
- デバイスを物理的に遠ざける: アラームが鳴ったら、スマートフォンをベッドサイドから離れた場所に置きましょう。可能であれば、充電器につないだまま寝室の外に出すのが最も効果的です。手の届く範囲にあると、ついまた見てしまう誘惑に負けやすくなります。
- 「何をするか」を決めておく: デジタルデバイスを手放した後の15分間をどう過ごすか、事前に決めておくとスムーズです。何も決めずにいると、手持ち無沙汰になり、結局デバイスに戻ってしまう可能性があります。
この「何をするか」が、デジタルオフ習慣を続ける上での鍵となります。
15分間のデジタルオフ時間におすすめの過ごし方
寝る前の15分間は、脳と体をリラックスさせる時間に使いましょう。以下は、そのための代替行動の例です。
- 静かな読書: 電子書籍ではなく、紙の本を読むのがおすすめです。心地よい物語や、リラックスできる内容を選びましょう。
- 軽いストレッチやヨガ: 体を優しく伸ばすことで、一日の緊張を和らげます。
- 簡単な瞑想や呼吸法: 目を閉じ、呼吸に意識を向けることで、心を落ち着かせます。ガイド付きの音声などを利用する場合は、事前にダウンロードしておき、画面を見ないように注意しましょう。
- ジャーナリング(書くこと): その日の出来事や感じたこと、感謝していることなどを書き出すことで、頭の中を整理し、気持ちを落ち着かせることができます。
- 温かい飲み物を飲む: カフェインの入っていないハーブティーなどをゆっくりと味わいます。
- 家族やパートナーとの穏やかな会話: リラックスできる話題を選び、静かに話す時間も良いでしょう。
これらの活動は、どれも心拍数を上げたり、脳を興奮させたりしない、静かで穏やかなものであることが重要です。
たった15分のデジタルオフで期待できる効果
毎晩寝る前の15分間をデジタルオフの時間に変えることで、以下のような効果が期待できます。
- 寝つきの改善: ブルーライトの影響を減らし、脳をリラックスさせることで、布団に入ってから眠りにつくまでの時間が短くなる可能性があります。
- 睡眠の質の向上: 脳が休まった状態で眠りに入りやすくなるため、深い眠りにつきやすくなることが期待できます。
- リラックス効果: デジタルデバイスから離れることで、情報過多による脳の疲労が軽減され、心穏やかな状態で眠りにつけます。
- 翌朝の目覚めの変化: 質の良い睡眠が取れると、朝スッキリと目覚めやすくなり、日中の活動にも良い影響を与える可能性があります。これはあくまで主観的な体感ですが、多くの方が変化を感じやすい点です。
習慣化のための小さな秘訣
たった15分から始めるデジタルオフも、継続することが大切です。
- 完璧を目指さない: 毎日必ずできなくても気に病まないでください。「今日は10分だけでもできた」「明日は頑張ろう」という気持ちで取り組みましょう。
- 効果を意識する: 「昨日はデジタルオフしたから、いつもより寝つきが良かったかも」など、小さな変化に気づくことでモチベーションを維持できます。
- 記録をつける: 簡単な睡眠日誌をつけると、デジタルオフをした日としない日で、寝つきや睡眠時間に違いがあるかを客観的に把握しやすくなります。
まとめ
寝る前のスマートフォン利用は、私たちの睡眠に影響を与えやすい習慣です。しかし、いきなり完全にやめるのが難しければ、まずは「寝る前15分間」からデジタルオフを始めてみませんか。この短い時間でも、ブルーライトの影響を減らし、脳をリラックスさせることで、寝つきや睡眠の質が改善される可能性があります。
今回ご紹介した具体的なステップや代替行動を参考に、ご自身に合った方法で少しずつ取り入れてみてください。たった15分の意識的な行動が、あなたの夜を変え、より心地よい眠りへと導く第一歩となるはずです。無理なく、ご自身のペースで、快眠のための習慣を育てていきましょう。